大学生のための交渉術入門
Genre:コミュニケーション/交渉/学生向け実用
著:野沢聡子
出版社:慶應義塾大学出版会
発売日:2017年12月
評価:
概要
大学生活で直面する対立や衝突を、お互いが満足できる形で解決するための「協調的交渉」の考え方と実践をわかりやすく整理した入門書です。身近な例を題材に、交渉の理論的背景から具体的な進め方まで丁寧に解説しており、初めて交渉スキルを学ぶ人でも無理なく理解できる構成になっています。
【読むと得られるメリット】
こんな方におすすめ
- 交渉に苦手意識がある大学生
- ゼミやサークルで意見調整が必要な人
- 就活前にコミュニケーション力を高めたい方
- 友人・アルバイトなど日常の人間関係でも使える交渉スキルを身につけたい人
- 専門書よりも入門書で基礎から学びたい方
読むメリット
- 交渉の基本プロセスを体系的に理解できる
- 感情に流されず合意形成する力が身につく
- 事例を通じて実戦で使えるポイントをつかめる
- 就活・アルバイト・日常生活でも応用できるスキルが得られる
- 若いうちに身につけておくと将来に差がつく交渉力の土台ができる
【感想】
『大学生のための交渉術入門』は、学生向けとタイトルにありますが、大学生活の身近な事例を通じて「協調的交渉」を基礎から学べる良質な入門書です。理論だけで終わらず、ゼミ活動・サークル運営・アルバイト・就活といった具体的な場面を想定した解説が多く、交渉術を初めて学ぶ人でも理解しやすい構成になっています。
いわゆる心理テクニック本のような即効性重視の内容ではなく、「なぜそのステップを踏むのか」という交渉の基本プロセスを丁寧に説明しているのが特徴です。そのため、読み終えたあとに“使い回せる基礎力”が残る印象があります。ページ数もコンパクトで、専門書ほど重くないため、ネットで購入しても読み切れずに積読になる心配は少ない一冊です。
特に印象に残った内容をメモしておきます。
1.交渉には情報収集が必要
① 相手の発言を注意深く聴く(傾聴)
② 相手の「立場」だけでなく、潜在的な「欲求(本音)」や感情について質問する。その際、批判せず客観的な態度を保つ
③ 相手の発言を要約し、自分の言葉で言い換えることで理解を深める
→ 交渉は“話す力”よりも“聴く力”が土台であることがよくわかります。
2.協調的交渉に不可欠な個人の「力(パワー)」
① 必要なときは相手に「ノー」と言いながらも、相手の能力を認める力
② 相手の見方を理解しようとする力
③ 相違点を明らかにし、双方の考えを統合する力
→ 対立ではなく合意形成を目指す交渉の考え方が整理されています。
3.人の第一印象
・第一印象は出会って3〜5秒で決まる
・印象の55%は視覚情報、38%は聴覚情報、内容そのものは7%
→ 就活や面接を控えている大学生には特に参考になるポイントです。
『大学生のための交渉術入門』は、派手さはないものの、交渉の基礎を体系的に学びたい人に向いている一冊です。就活前の大学生はもちろん、ゼミやサークルでの調整に悩む人、社会に出る準備をしたい人にも役立ちます。交渉を「難しいもの」ではなく「整理して学べば身につく技術」に変えてくれる内容なので、タイトル検索で内容や評判を調べている方にも安心しておすすめできる入門書だと感じました。
