カンタンらくらく月20万円。難解チャートもシンプル株攻略

Genre:株式投資・テクニカル分析・兼業投資家向け

著:尾崎式史

出版社:ぱる出版

発売日:2020年7月

評価:

評価 :2/5。

概要

チャート分析を複雑なものではなく、兼業投資家でも再現可能なシンプルな手法として紹介している実践的な一冊です。
著者が長年の経験から編み出した「くいっとチャート」「がっくりチャート」といった独自のチャートパターンを軸に、売買ポイントの判断やエントリータイミングをわかりやすく解説しています。

また、移動平均線を中心に、相場の乱高下に振り回されないためのルール作りにも触れており、短期の値動きに不安を抱きやすい投資家にとって心強い内容になっています。チャートの読み方、売買の流れまでが体系的にまとめられており、テクニカル分析の理解を深めたい兼業投資家に特に向いた構成となっています。

ただし、基礎用語や株の仕組みについての説明は最低限にとどまっているため、完全な初心者よりも、株の基本を一通り理解した上で、さらに“チャート分析を強化したい人”に適した内容となっています。

【読むと得られるメリット】


カンタンらくらく月20万円。難解チャートもシンプル株攻略 [ 尾崎式史 ]
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最も理想的なくいっとチャートは、5日移動平均線がくいっと上向いた状態で、しかも5日移動平均線に腰掛けるように陽線が立っているチャートパターンです。

p42
【感想】
本書を読んで特に印象に残ったのは、「くいっとチャート」という手法を初めて知ったことでした。
著者自身が実践している方法で、エントリー判断の参考としてとても使えそうだと感じました。

他にもチャート分析について多くの学びがあり、以下にまとめます。

《買いの第1段》
移動平均線が長期間下落、または横ばいで推移した後、株価が上昇に転じて移動平均線を下から上に突き抜けた場合

《押し目買い》
株価が一時的に移動平均線を下回っても、移動平均線自体が上昇中であれば押し目買いのチャンス。

《買い乗せ》
移動平均線より上にある株価が足踏みしている状態で、上昇中の移動平均線を割り込むことなく再度上昇に転じたときは買い乗せの局面。

《自律反発の買い》
下向きの移動平均線よりも、株価が大きく下に乖離した場合は、乖離の反動で自律反発が起きる可能性が高い。

①相場が一定期間下落を続けた後、25日移動平均線の傾きが徐々に水平になってくるタイミングが訪れます。このとき5日移動平均線が下から上に抜け、ゴールデンクロスが発生した瞬間がエントリーポイント。

②ただし、25日線を行ったり来たりと値動きがゆらゆらしている場合は注意。陽線のサインが出ても、その後にトレンドが発生せず失速することが多い。

日足・週足・月足の3つの時間軸で同時に買いサインが出る場合は非常に強いサインといえる。


一方で、用語やチャートの前提知識が必要な箇所も多く、株の基礎知識が少ないと理解しにくい部分もあると感じました
また、hobbitが実践しづらい信用取引についての記載もあるため、その点は注意が必要です。

さらに、内容自体は興味深いものの、誤字脱字や文章の乱調、章構成の飛び方など、読みづらさを感じる場面が少なくなかったのは残念でした。
ただ、それを差し引いても、独自のチャート視点やテクニカル分析の考え方には学びが多く、分析の引き出しを増やしたい人には価値のある内容だと思いました。

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