Steve Jobs スティーブ・ジョブズ Ⅰ
著:ウォルター・アイザックソン
訳:井口耕二
評価:
概要
アップルの創業者スティーブ・ジョブズの伝記。全二巻のうち、一巻はジョブズの生まれからアップルの創業、解雇、ネクスト社の立ち上げから危機的状況、ピクサーとの提携までが記載されている。
また、プライベートの面では、家族との関係や恋人との関係、そして結婚などの人間関係も記されている。
【感想】
誰もが知っている有名人なので、さぞ凄い人だったのだろうと思っていたら違った意味で凄い人でした。
hobbitは絶対にこんな人の下では働けないし、働きたく無い(笑)アップルで仕事をしている人たちは、能力が凄いだけでなく、心もタフな人が多いんだなと尊敬しました。
簡単にジョブズのメチャクチャさを記すと、子どもの時は悪戯好きで先生を困らせる、学生の頃は麻薬のLSDを使う、退学する、行き過ぎた採食主義などhobbitは近づきたくない人。
けれど、人を掌握し物事を変えてしまえるずば抜けたカリスマ性(本書では「現実歪曲フィールド」という言葉が良く出てきます)、ビジネス家というよりも芸術家の感性で細かい点まで突き詰められる所が類まれな製品を生み出せた要因なのでしょう。
また、恥ずかしながら知らなかった事も沢山あり、ジョブズが禅に傾倒していた事、日本をお気に入りの場所としていた事、ジョブズの人生は世界のコンピュータ発展の歴史であったこと、ピクサー映画にジョブズが関わっていた事などを知ることができました。
hobbit自身、文系と理系のどちらか分からずどちらも楽しいと思え、芸術が好きな点、禅の精神に助けられることがある点など共感できる部分もあり、こういう感性の人が成功しているという点は少し救われました。
破天荒すぎて欠点だらけの人でも、何か突き詰めるものがあれば成功できるというのを教えてくれるのがスティーブ・ジョブズという人なのだなと思います。